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カスタマージャーニーマップとは?7ステップの作成手順を解説
今回はマーケティングの現場でよく使われるカスタマージャーニーマップの作成方法について解説していきます。
- カスタマージャーニーマップって何?
- カスタマージャーニーマップを作るメリットは?
- カスタマージャーニーマップの作り方は?
上記のような方は、是非最後まで読んでみてください。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップはインターネット上の顧客の一連の行動を可視化した図表になります。
自社の製品やサービスを認知、比較検討、購入、共有などのストーリーを作って、各ステップ毎に「どういう施策を行うか」を視覚化する手法です。
認知フェーズを担当する広告部門はWeb広告のクリック率やWebサイトのPT数といったKPIだけ追えば良いというような断片的なマーケティングになりがちです。
カスタマージャーニーマップを作ることで、企業全体でビジョンを共有して顧客エクスペリエンスを最大限高めるマーケティングが可能になります。
カスタマージャーニーマップの作成方法
カスタマージャーニーマップの作成方法としては、下記の7つのステップになります。
- ペルソナ設計
- 縦軸の設定
- 横軸の設定
- 顧客行動の調査
- 顧客心理の調査
- 顧客接点の調査
- マッピング
順番に説明していきます。
ペルソナ設計
商品やサービスを購入してくれそうなターゲット層の中からより具体的な人物像をイメージしたペルソナを設計していきます。
ペルソナ設計でより具体的な人物像をイメージすることで、欲しい顧客層の獲得という目的に対して最大限効果のあるWebマーケティング施策を打ちやすくなります。
一度作成したペルソナはWebマーケティング施策の成果状況の良し悪しに関わらず、定期的に見直しを行いましょう。絶対視できないことはもちろん、成果が悪いのであれば顧客心理や市場ニーズと何か乖離があるのかもしれません。
縦軸の設計
カスタマージャーニーマップの縦軸は下記の4項目を設定します。
- 行動:想定されるユーザーの行動
- 思考・感情:ユーザーが考えること、感じること
- 接点(タッチポイント):ユーザーと接点を持てる場所(サイト・SNSなど)
- 課題:ユーザーが不満に思ったこと、不足していたこと
項目数に決まりはありませんが、項目数が多いと複雑になるので最初は3〜4項目ぐらいで十分です。「行動」「思考・感情」「接点」「課題」の各項目はできる限り詳細を書いた方がイメージがしやすいのがポイントです。
横軸の設計
カスタマージャーニーマップの横軸は下記の5項目を設定します。
- 認知:サービスを認知した状態
- 情報収集:サービスについて理解した状態
- 比較検討:他サービスと比較検討した状態
- 購入:サービスを購入した状態
- 購入後:サービス購入後の状態
横軸は基本的にこの5項目で十分です。
顧客行動の調査
横軸毎に顧客行動を考えてみましょう。下記はアパレル業界でスカート商品を例としています。
横軸 | 状態 | 顧客行動の例 |
---|---|---|
認知 | サービスを認知した状態 | Instagramの投稿検索でおしゃれなスカートを認知 |
情報収集 | サービスについて理解した状態 | ECのショップサイトで生地や素材、こだわりについて理解 |
比較検討 | 他サービスと比較検討した状態 | 他のブランドの類似しているスカートと素材や価格について比較 |
購入 | サービスを購入した状態 | 実際に店舗に行ってスカートを購入 |
購入後 | サービス購入後の状態 | 購入したスカートをInstagramに投稿。口コミ・評価を記載。他に良い商品がないかチェック。 |
顧客心理の調査
次に横軸毎に顧客心理を考えてみましょう。
横軸 | 状態 | 顧客心理の例 |
---|---|---|
認知 | サービスを認知した状態 | このスカートおしゃれでかわいいかも。 |
情報収集 | サービスについて理解した状態 | 自分に合うサイズがある。好きな色もあって良かった。サイトのモデルを見てどういう服に合わせたらおしゃれに見えるか分かった。 |
比較検討 | 他サービスと比較検討した状態 | 他のブランドの類似品と比べると少し高い。口コミ・評価はこっちの方がお気に入り件数が多くて高評価。 |
購入 | サービスを購入した状態 | 店舗で試着してみたら自分に合っている。他の商品と合わせたてみたら思っていた通りおしゃれだったので購入しよう。 |
購入後 | サービス購入後の状態 | Instagramに投稿したら友人からの評判も良かったから購入して満足。 |
顧客接点の調査
次に横軸毎に顧客接点を考えてみましょう。ユーザーが行動を起こす具体的な場所がどこにあたるかを考えます。
横軸 | 状態 | 顧客接点の例 |
---|---|---|
認知 | サービスを認知した状態 | |
情報収集 | サービスについて理解した状態 | ECサイト |
比較検討 | 他サービスと比較検討した状態 | ECサイト/SNS/口コミ・評価サイト |
購入 | サービスを購入した状態 | 店舗 |
購入後 | サービス購入後の状態 | Instagram/口コミ・評価サイト |
マッピング
今までの縦軸と横軸、顧客行動、顧客心理、顧客接点を表にマッピングしていきます。横軸毎にKPIを設定して、各フェーズで問題なくマーケティング施策が動いているかを進捗を追っていきましょう。
カスタマージャーニーマップの作成するポイント
他部署を巻き込んで実施する
集客専門のマーケティング部門、顧客管理を専門とする情報システム部門、顧客サポートを専門にするカスタマーサクセス部門など複数の部門で業務が分断されている場合、なるべく多くの部署を巻き込んで一緒にWebマーケティングに取り組むようにしましょう。
もちろん、部門毎の目標を追うことは重要ですが、全部門でそれぞれのフェーズへの意見を取り入れることで、結果的に顧客に対して一気通貫したサービスを提供することにつながります。
オンライン以外の接点も検討する
Webマーケティングの基礎としてカスタマージャーニーマップを紹介していますが、実際はオンラインだけではなく実店舗、営業担当、サポート担当、TVCM、口コミサイトなど意外とオフラインでのコミュニケーションが重要なことがあります。
各チャネルが相互に連携しているオムニチャネルであることを忘れないようにカスタマージャーニーマップをブラッシュアップしましょう。
カスタマージャーニーマップは絶対的ではない
ペルソナと同様にカスタマージャーニーマップも絶対的なものではありません。顧客が100人いれば、100通りのカスタマージャーニーマップが存在するので一度作成したら終わりではなく、常にボトルネックになっているフェーズに改善を加えたりするようにしましょう。
「Webマーケティング全体の戦略設計は?」という方は下記の記事を読んでください。
Webマーケティングの戦略の立て方を解説!企画から実施までの7つのステップ