Webマーケターの仕事内容とは?
Webマーケターは、インターネット上で商品やサービスの認知拡大、集客、売上向上を実現するための戦略立案から実行までを担います。
業務範囲は多岐にわたり、企業や職種によって重視される領域も異なります。ここでは代表的な4つの業務内容を紹介します。
デジタル広告運用
Google広告やYahoo広告をはじめ、Facebook、Instagram、YouTube、X(旧Twitter)などのSNS広告を活用して、ターゲットにリーチする施策を行います。広告文の作成、ターゲティング設定、効果検証(CPC、CVR、ROASなど)までを担い、限られた予算内で最大の成果を出すことが求められます。
特にPPC広告やリマーケティング広告の知識、運用ツールの扱い、データ分析スキルが必要とされます。
SEO・コンテンツマーケティング
検索エンジンでの上位表示を狙う「SEO(検索エンジン最適化)」と、それに紐づく良質なコンテンツ制作が主な業務です。キーワード選定、競合調査、構成案の作成、ライティング、更新運用などが含まれます。
また、ただ検索順位を上げるだけでなく、ユーザーにとって価値ある情報を提供し、ブランドの信頼性やコンバージョンにもつなげることが重要です。
SNS運用やコミュニティマネジメント
InstagramやX、TikTokなどのSNSを通じてブランドの認知度を高め、ファンとの関係を構築する業務です。投稿コンテンツの企画、ビジュアルの制作、キャンペーンの実施、コメント対応、数値分析などを行います。
さらに、近年ではLINEやDiscordといったクローズドなコミュニティ運用のニーズも増えており、「フォロワーを集める」から「熱量あるファンを育てる」フェーズへの移行が求められています。
アクセス解析・改善提案
WebサイトやLP(ランディングページ)に訪れたユーザーの行動をGoogleアナリティクスやヒートマップツールなどを使って分析し、課題を発見・改善提案を行う業務です。
例としては、「離脱率が高いページを改善する」「CVRが低いフォームの構成を見直す」「ユーザーの流入経路を最適化する」といった施策があります。データを読み解く力と、それを根拠に改善アクションを設計する思考力が求められます。
Webマーケターの5つのキャリアプランと年収相場
広告代理店・マーケティング会社でコンサルタントを目指す
Webマーケターの王道のキャリアプランとして、広告代理店・マーケティング会社などのIT/Web系の会社でコンサルタントを目指すことが考えられます。
例えば、広告運用・SEO・SNSなどのジャンルにおいて複数のクライアントとの仕事を通じてスキルを高めて経験を積むことで一流のコンサルタントになれるでしょう。
コンサルタントといっても大きく2パターンあります。広告運用・SEO・SNSの特定のジャンルにおいて専門性を高めてその道のプロになる。またはそれぞれ全てのスキル・知識をつけてクライアントに合わせて最適なマーケティング手法を提案・実行するマルチに活躍できるマーケターを目指す方向があります。
事業会社でCMOを目指す
メーカーや商社など営利目的の事業会社にてCMOを目指すキャリアプランもあります。事業会社の場合、企業内にデジタルマーケティング部などの部署や部門を構えて、外部の広告代理店やシステムベンダーと協力しながら仕事を進めていくことになるでしょう。
最近では事業会社のインハウス化が進んでおり、今まで外部の会社に依頼していたデジタル・Web施策の内製化を実施している企業が増えています。
メディア運用会社で編集長を目指す
SEO集客を目的としたメディアを運営している会社にてライター・編集者から編集長ポジションを狙うキャリアがあります。
会社員など本業をしながら副業で稼ぐ
本業の会社員をしながら、Webマーケターとして副業をします。具体的にはホームページ作成・運用、広告運用、記事・コンテンツ作成などの仕事を副業で引き受けることができます。
最近ではクラウドワークス・ココナラ・ランサーズといったインターネット上で仕事の受発注を行うプラットフォームを活用して案件を獲得している方が増えています。

独立してフリーランス・個人事業主になる
副業という形ではなく、独立してフリーランスや個人事業主として本格的にWebマーケターとして生計を立てることも考えられるでしょう。
フリーランスや個人事業主の場合、先ほど紹介したクラウドソーシングサービスだけでなく、自ら直接営業をかけて少しでも高単価の案件を獲得することもあります。

現役Webマーケターが語るキャリア形成のリアル
Webマーケティング業界は変化が早く、キャリアの選択肢も多様です。ここでは、現場で実際に経験を積んできた立場から、私がたどってきた道や、迷ったときに考えたこと、これから必要とされる力についてお話しします。
私が選んだキャリアとその理由
私は新卒でWeb制作会社に入り、最初はSNSの投稿作成やメルマガ運用といった「手を動かす」仕事からスタートしました。
その後、広告運用を担当するようになり、コンバージョン改善に携わる中で、「戦略から関われる立場になりたい」と思うようになりました。
現在はインハウスマーケターとして、自社プロダクトの集客から顧客育成まで一貫して関わっています。選んだ理由は、「長期的な視点で成果と向き合えること」と「マーケティングが経営に直結する場に身を置きたかった」からです。
現場で数字を追いながら、自分の施策が事業にどう貢献しているかを肌で感じられるのが、私にとってのやりがいです。
キャリアに悩んだときに考えるべき視点
マーケターのキャリアは「スキルの幅を広げる(ジェネラリスト)」か「特定領域を極める(スペシャリスト)」かで大きく分かれます。私自身も中堅になった頃、このどちらを目指すべきかで悩みました。
そんなときに意識したのは、
- 「自分がどんな働き方をしたいのか(企業内?フリー?)」
- 「どんな課題に関わっていたいのか(広告?CRM?)」
- 「どんなときに一番達成感を感じるのか」
といった「スキル」ではなく「価値観」に立ち返ることでした。これにより、自分が「選ぶべき会社」ではなく「選ぶべき仕事の軸」が見えてきました。
これからのWebマーケターに必要な力
変化の激しいWeb業界において、最も重要なのは「変化に対応する柔軟性と学び続ける姿勢」だと感じています。
具体的には以下のような力が今後ますます重要になるでしょう。
- データを読み解き、仮説を立てる分析力
- 顧客視点を持ち、課題を深掘りする力
- チームや他部署と連携できるコミュニケーション力
- 自分の専門領域を一つ深く持つ「軸のあるスキル」
また、ツールや媒体の変化に一喜一憂するのではなく、「本質的に人はどう行動するか」「なぜ買うのか」というマーケティングの原理原則を自分の中に持つことも、キャリアを長く築いていく上で強みになると感じています。
Webマーケターとしてキャリアアップするポイント
ポートフォリオとなる実績をつくる
Webマーケターもデザイナーやプログラマーと同じくポートフォリオのようなアピールにつながる実績をまとめたものが必要です。
Webマーケターの実績としては、「売上アップ」「CV増加」「認知度の向上」などがあります。ただ実績となる結果だけを話しても説得力に欠けます。
改善前が「どのような状況で何が課題だったのか」それに対して「どういうアクションを行なったのか」を相手に伝わるように説明する必要があります。そのために、その時のWebサイトや広告物の画像などは取っておくようにしましょう。
専門分野・専門業界を作る
Webマーケターの仕事内容は幅広いので、その中で何か得意な分野を持っておくとキャリアアップしやすいと思います。
例えば、「SEO集客に強い」「広告運用の経験が豊富」「クリエイティブも作れる」といったものがあるでしょう。
他にも得意な業界業種があると良いです。病院・不動産・アパレルなど同じ業界業種の案件実績が多いことを理由にお仕事がもらえることもよくあります。
学習を継続する
Web業界自体の技術革新やトレンドの移り変わりが早いので、Webマーケターは定期的に新しい情報をキャッチして学習をする必要があります。
特に広告やSEOに関係する業務をしている場合、Google検索エンジンのアップデート情報などは直接影響があるので必須です。
未経験からWebマーケターになるには?
独学でWebマーケティングの学習を行う
Webマーケティングは独学でも学習ができます。最近では動画を使ったオンライン学習が定番になっておりYouTubeや Udemyなどで気軽に始めることができます。
自分のWebサイト・ブログを作る
Webマーケターの転職において実務経験が求められるので、未経験の方は自身のWebサイト・ブログを作って経験を作ることが重要です。Webサイト・ブログは月額数百円のサーバ費用しかかからないので負担も少ないです。
ライティング・SEO・広告運用のスキルを付ける
先ほどの自分のWebサイトやブログを作成して運用することで、Webマーケターに求められるライティング・SEO・広告運用の知識・スキルを身につけることができます。
最初は言葉の意味やツールの使い方などに戸惑うこともあると思いますが、慣れれば難しいものは少ないです。
スキルを身につけながら、クラウドサービスで案件を探して少しずつ実績を積み上げていきましょう。
独学よりもプロに教わりたい方は下記の記事を見てください。人気・おすすめのWebマーケティングスクール11選【評判・口コミ付き】
まとめ|Webマーケターのキャリアに正解はない
Webマーケターのキャリアは、広告運用、SEO、SNS、データ分析、戦略立案など多岐にわたり、どの道を選んでも「正解」があるわけではありません。むしろ、時代や市場の変化とともにキャリアも柔軟に変化していくものです。
大切なのは、他人のキャリアに振り回されるのではなく、自分がどんな働き方をしたいか、どんな価値を提供したいかを見つめ直すことです。
本記事で紹介した5つのキャリアパスや年収相場、現場のリアルな声が、あなたの今後のキャリア選択のヒントになれば幸いです。変化を恐れず、興味や関心のある領域に一歩踏み出すことで、自分らしいキャリアが形になっていくはずです。

