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Googleだけじゃない!目的別の検索エンジン一覧
今や日常生活に欠かせない検索エンジンですが、インターネット黎明期では検索機能があるWebサイト=検索エンジンと呼ばれていました。
今日のGoogle・Yahooなどの検索エンジンはインターネットに限定せずにあらゆる情報を検索するシステムになっています。
つまり、検索エンジンは当初よりもあらゆるものを幅広く検索できるように改善されてきて現在の形になっています。
今回は改めて検索エンジンの種類から歴史などを解説していこうと思います。
検索エンジンとは
検索エンジンは狭義では、インターネット上に存在するWebサイトだけでなく動画や音楽、画像ファイルなどありとあらゆる物を検索することが可能なプログラムを指します。
広義には検索機能とその他の様々な機能を持ち合わせたポータルサイト化が進み、インターネットのみならず、あらゆる情報を検索できるシステムプログラムを指すようになっています。
検索エンジンは検索窓と呼ばれる部分にキーワードを入力して全文検索を行い検索結果を表示させます。
日本の検索エンジンの歴史
インターネット黎明期
日本のインターネット黎明期の1995年に、豊橋技術科学大学の学生が作成した「Yahho」や東京大学の学生が作成した「ODiN」、早稲田大学の学生が作成した「千里眼」などが開発されました。
1996年には今では知らない人がいないYahoo! JAPANのサービスが開始されました。
Yahoo!の知名度、90年代後半のインターネット利用者人口の増加、ロボット型検索エンジンの普及などにより、Yahoo! JAPANは検索サイトとして確固たる地位を築きました。
今では当たり前ですが、YahooニュースやYahooオークションなど、検索エンジン以外のサービスも開始してポータルサイト化を進めました。
1997年頃からWWW(World Wide Web)の拡大に伴いディレクトリ型検索エンジンからロボット型検索エンジンが主流になり、より多くの情報をユーザーに届けることができる検索エンジンが好まれるようになった。
Googleの台頭
Googleはスタンフォード大学の学生のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが1998年に創設しました。Googleは検索エンジンのポータルサイト化が進むのに逆行し、独創的な検索技術に特化し、広告を排除したシンプルな画面で人気を集めました。また2000年にYahoo!の検索エンジンに採用されました。
この頃ぐらいから、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用すること=「ググる」というネットスラングが生まれました。
ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは「広告収入に頼る検索エンジン」に反対姿勢を示していたが、2000年にGoogleは検索結果ページに検索されたキーワードと関係のある広告を表示するサービスを開始した。整然としたページデザインを維持するため、テキストベースの広告のみとされた。
検索エンジンの多様化
従来の検索エンジンは幅広く検索できることが一般的でしたが、ユーザーの検索ニーズが多様化するにつれて、各目的別に特化した検索エンジンが生まれました。ブログ情報に特化した「Technorati」「blogWatcher」、サイトの見た目で検索する「MARSFLAG」など新しい検索エンジンがサービスを開始しています。
便利になる一方で、検索エンジンには課題もあります。インターネットの普及は進んでいますが、多言語化の課題があります。
2005年2月2日時点で、Googleでは80億以上のウェブページが登録されていますが、日本語入力のできないコンピュータを用いて日本語サイトを検索することは簡単ではありません。
そもそもウェブページが多言語対応できていないこともあり、仮に辿り着けたとしても、内容を把握することは難しいことが想定されます。同様に非英語圏の言語間の検索は、中間に翻訳エンジンを介さないと検索作業は難しいと考えられています。
検索エンジンの種類
ディレクトリ型検索エンジン
人の手を介して、構築された検索エンジンになります。つまり、人が一つ一つ検索にヒットするWebサイトを目視で確認して登録していました。
人間が介入するため、質の低いWebサイトなどは検索エンジンの検索対象から除外することができたので、質の高いWebサイトをユーザーは見つけることができる特徴がありました。
インターネット黎明期の1990年代では主流の検索エンジンでしたが、人の手を介するため、検索対象の数が限定されてしまい、Webサイトを公開しても検索エンジンにヒットするまでにどうしても時間がかかってしまうという大きなデメリットがありました。
ロボット型検索エンジン
ロボット型検索エンジンは特定の条件式にヒットするWebサイトを検索するエンジンです。
クローラーと呼ばれるシステムが公開されたWebサイトを自動的に見つけて、検索エンジンの検索対象として登録を行っていきます。
インターネットが普及し膨大な数の情報が溢れているので、ディレクトリ型検索エンジンよりもロボット型検索エンジンが主流となり、多くの情報が検索エンジンにヒットされるようになりました。
その一方で検索エンジンを騙すような悪質なWebサイトやSEO手法が生まれる原因にもなりました。
そのため検索エンジンの検索結果の表示順・内容に関しては、検索エンジンを提供しているGoogleによって、ユーザーにより良いコンテンツを届けるように日々改良が加えられています。
分散型検索エンジン
複数のコンピューターで通信を行うP2P(ピア・ツー・ピア)技術による分散型の検索エンジンになります。
簡単にいうと、利用するユーザー自身のパソコンに検索エンジンを作り・他人同士で共有するので、自分だけの検索結果ページを作ることができます。
そのため、各国政府や機関が中央集権型サーバーによる介入を受けなかったり、自身の検索履歴や個人情報が第三者に流出するのを防ぐことが可能です。
しかし、悪意のある人間によってP2P技術で、スパム攻撃を行うことも可能という大きな課題もあります。
メタ型検索エンジン
メタ型検索エンジンは入力されたキーワードを複数の検索エンジンに送信して横断して検索を行うことから横断検索エンジンとも呼ばれます。
検索対象として特定のサイトを選択する「非統合型」と検索結果を1ページに統合して表示する「統合型」があります。
代表的な検索エンジン
皆さんご存知のGoogleです。
Googleはスタンフォード大学に在籍中だったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創業されました。1998年9月27日に会社として設立され、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を経営理念に掲げています。
Yahoo
スタンフォード大学のジェリー・ヤンとデビッド・ファイロによって1994年にディレクトリ型検索エンジンとして始められた。2000年代後半にGoogleやFacebookとの競争に敗れて、2017年に大手電気通信事業者のベライゾングループの買収されました。
Bing
2009年にMicrosoft社によって「意思決定を支援する検索エンジン」というコンセプトの元、サービスを開始した検索エンジンです。元々1998年にInktomi社の検索エンジンを利用して、MSNサーチとしてサービスを開始していた過去があります。
goo
gooは映像配信サービス「BROBA」、NTTグループのECサイト「NTT-X Store」を運営するNTTレゾナントが運営するポータルサイトです。gooは元々ロボット型検索エンジンでしたが、ポータルサイトとして運用が進み、現在ではユーザー参加型Q&Aサイト「教えて!goo」、無料辞書サービス「goo辞書」などが派生してサービスが続けられています。
Baidu(百度)
百度によって2000年にサービス開始された中国で最大の検索エンジン、全世界で第2位の検索エンジンです。中国大陸ではGoogleが利用できないため、百度が最大シェアになります。オンライン百科事典の「百度百科」が関連サービスであります。
Yandex
Yandex(ヤンデックス)は1997年にアルカジー・ヴォロシュによって立ち上げられたロシアの検索エンジンまた運営会社になります。2018年にはYandex.Phoneを販売開始しており、スマートフォン市場にも参入しています。
LYCOS
Lycosは1994年にカーネギーメロン大学のマイケル ローレン モールディンによってサービス開始された検索エンジンです。黒色のラブラドール・レトリーバーの「ライコス犬」がマスコットキャラクターのようです。2010年8月にインドの当時Ybrant Digital(現在のBrightcom Group)に買収されました。
AHMIA
2014年にJuha Nurmiによって作成されたTorのHidden Service(秘匿サービス)のクリアネット用検索エンジンになります。匿名でインターネット通信が行えるTor(The Onion Rooting Network)を使って、ダークウェブを検索することができます。
Ask.com
Ask.comは1996年にギャレット・グルーナーやデイビッド・ウォーヘンが設立した会社のAsk Jeeves社(アスク・ジーブス)が運営していたインターネットの黎明期から存在する検索サービスです。2005年以降はコングロマリットのIACが運営しており、アメリカ合衆国では5社中4位のデスクトップ検索サイトです。
Qwant
Qwantはフランスで利用されているプライバシーを重視した検索エンジンです。そのためユーザーの検索履歴を記録したり、個人情報を広告に使うなどをしないことを明言しています。フランスではプライバシーの観点からGoogleではなくQwantを使用しています。