BtoBのリードジェネレーションの基礎から具体的な手法を紹介【米国との違いも解説】

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管理人:かつさんど
  • 現役Webマーケター
    元Webディレクター
  • 東証一部上場の不動産系企業で勤務
  • 最高収益:月間30万円

今回はBtoBまたはBtoCのWebマーケティングでよく使われる「リードジェネレーション」について基礎から具体的な手法を解説していきたいと思います。

  • リードジェネレーションとは?
  • リードジェネレーションの手法は?
  • リードジェネレーションの注意点は?

上記のような方は是非最後まで読んでみてください。

目次

BtoBのリードジェネレーションとは

リードジェネレーションとは見込顧客を獲得するためのオンラインやオフラインを含めた、一連のマーケティング活動をのことを指します。

営業活動をおこなう上で、対象となるリード(見込顧客)が存在しなければ、その後に続く見込顧客の育成も選別もはじまらないため、さまざまな施策の起点となる重要な施策です。

長年蓄積されてきたリードは企業の重要な資産で、大きな競争力となります。この点において米国などでは企業の担当者情報を購入することができますが、日本ではゼロから集める必要があるため、リードジェネレーションの重要性がより高いといえます。

また日本の場合、人口減少によって営業担当者として割ける人員も減少していく傾向にあるため、営業生産性を高めるという点でも自社に適した効果的なリードジェネレーション手法を構築していくことが大切です。

またリードジェネレーションで獲得した見込顧客を育成して、有望なリードとして営業にパスできるようにする仕組みをリードナーチャリングといいます。

BtoBのリードジェネレーションの歴史

それでは、リードジェネレーションの手法について、まずはこれまでの流れと現状をつかんでいきましょう。1990年代は、テレマーケティングや展示会、営業担当者が交換した名刺が見込顧客との接点になることがほとんどでした。

製造業などのように古くから経営されている企業では、展示会に毎月のように出展して多くの名刺を獲得し、社内に数十万枚の名刺が存在していることもあります。この時代は勘と経験と根性で営業活動をしていたといってもいいでしょう。

現在の主流になるのが、Webからリードを獲得するアプローチです。2000年代に入りWebが進化してきたことで、SEOやリスティング広告などからサイトへ訪問を促し、資料請求などを通じてリードを獲得することが盛んになってきました。

2001年にBtoBマーケティングの分野で権威あるリサーチ&アドバイザリーファームSirius Decisionsが創設されましたが、彼らが2006年に提唱した「Demand Waterfall」というモデルは、現在のBtoBマーケティングにおいて世界中に普及しています。

BtoBのリードジェネレーションの基本的な考え方

まずは名刺を統合する

どの会社にも必ず存在するのが名刺です。展示会で収集した名刺、営業担当者個人の机に眠っている名刺、役員が持っている名刺など、社内の名刺をすべて統合すれば、まとまったデータベースになります。会社の規模にもよりますが、数千枚から数十万枚は集まるのではないでしょうか。

この名刺をきちんと名寄せをし、データベースとして整理することで、マーケティング活動の基礎を築くことができます。会社の資産として重要であることはもちろん、早期に成果があらわれやすい作業でもあるため、せっかく集めた名刺データを放置している場合は、必ずMA/CRMに統合するようにしましょう。

ターゲット毎に合った施策を実施する

中小零細企業の役員の独断決裁などを除くと、BtoBの意思決定プロセスにおいて、関与者が複数存在することは当たり前です。意思決定者、現場の利用ユーザー、IT部門、購買部門など、さまざまな部門の人たちが関与しています。

カスタマージャーニーマップに則り、それぞれの関与者がどのような心理状態であるか、どのようなチャネルに接触するか、どのような情報を求めているかを把握した上で適切なチャネルで適切なコンテンツを提供しましょう。

例えば、50〜60代の経営者であれば、会社の生産性の向上や利益率アップ、株価向上に意識が向いており、日経新聞を読んでいるかもしれません。その場合、よりマクロな経済環境やデジタルトランスフォーメーションといったコンテンツがマッチするうと考えることができます。

20〜30代の現場担当者であれば、具体的な事例を求めて、Facebookをよく活用しているかもしれません。効果的なリードジェネレーションを実現するためには、このようにそれぞれの関与者の心理に沿ったマーケティング活動を実施することが大切です。

フォームの項目はどうするのが良い?

リードジェネレーションを実施するにあたり、最低限必要になる情報はメールアドレスです。

メールアドレスがなければ、マーケティングオートメーションで主要なチャネルとなるメールを送ることができません。そのほかにも取得すべき項目は多数あります。BtoBにおいて必要とされやすい項目を以下に挙げます。

デモグラフィック
  • 姓名
  • 年齢
  • 性別
  • 会社名
  • 役職
  • 住所
ファーモグラフィック
  • 企業規模
  • 企業所在地
  • 売上高
  • 業種
BANT要件
  • Budget(予算)
  • Authority(決裁権)
  • Needs(必要性)
  • Timeframe(導入時期)

すべての情報が取得できるに越したことはありませんが、フォームの項目が多くなればなるほど、コンバージョン率は低下し、見込顧客の獲得コストが増加してしまいます。ではフォーム項目はどのくらい取得すれば良いのでしょうか。

基本となるのが、営業的かつマーケティング的に必要最小限の項目で設定することです。営業面から見ると、例えばターゲットとなる顧客企業の社員数が「100名以上」である場合は、100人未満の企業のリードを取得しても意味がありません。

その場合は、必ず社員数のデータを取得する必要があります。マーケティング的な面から見ると、例えば業界によって製品やサービスの活用方法が全く異なる場合では、製造業なのかITサービスなのか小売業なのかによって、その後のリードナーチャリングのプロセスも変わってくるため、業種の項目の重要度が高まります。

自社にとってどんな項目が必要かを明確にした上で、取得するフォーム項目を決定するようにしましょう。

キャンペーンごとに管理する

どのキャンペーンやチャネルから獲得されたリードなのかをあらかじめ明確に振り分けておきましょう。一昔前までは、どこから来たリードが制約し、どのくらいの売り上げを上げたのかが、全くわかりませんでした。つまり、マーケティングキャンペーンの成果を測れないことが普通にあったのです。

現在では、どのキャンペーンから獲得したリードかといった情報を取得することが叶になったため、マーケティングキャンペーンの効果も測りやすくなっています。

例えば、「展示会A」「展示会B」「リスティング広告」「ブログ」「セミナーA」といったようなキャンペーン別にリードを管理しておくことで、どのキャンペーンからどのくらいのROIが上がったのかを把握することができます。

ROIを把握し、収益性の低いキャンペーンの予算を収益性の高いキャンペーンの予算に振り分ければ同じコストでROIを向上させることができます。必ずキャンペーン毎に管理をしておくようにしましょう。

アノニマスマーケティングにも力を入れる

アノニマスとは匿名という意味で、BtoBマーケティングプロセスにおいては、「名前がわからないが、Webサイトに訪れたことのあるユーザー」のことを指します。

一度Webサイトに訪れているということは、何かしらの興味を持っている可能性が高いため、アノニマスをうまくコンバージョンしリードにすることができれば、リード獲得率の向上に直結します。

IPアドレスやCookieが取得されている状態であるため、打つ手は限られてきますが、来訪したページによって興味を持っているカテゴリーをグルーピングし、リターゲティング広告や再来訪時にWebサイトで動的コンテンツを活用するなど、パーソナライズされた情報を提供することが可能です。このような方法でリード転換を図るのが基本になります。

また、フォームを通るほどではなくてもチャットを通してゆるいコミュニケーションを図りたいアノニマスも存在するため、自社に適しているようであればチャットの利用なども考えましょう。

BtoBのリードジェネレーションの手法

ここではリードジェネレーションに活用できる代表的な手法を紹介します。

誰に(Who)、何を(What)、どう伝えるか(How)にあたるものですから、テクニック的に実施するのではなく、ターゲットである「Who」をベースに、それぞれに適したチャネルを活用し、リードジェネレーションを実施するようにしましょう。

展示会

展示会は古くからありますが、特定のターゲットとなる見込顧客を1つの場所に集められるため、現在でも有効なリードジェネレーションの手法だといえます。

ただ、多くの人を集めても競合企業が混ざっていたり、来訪者から逆に営業をうけることになったりと、ターゲットとならない企業が含まれていることもあります。

また収集した名刺からすぐに成約まで結びつかないケースも多いです。これは展示会という特性上、情報収集段階の潜在層であるユーザーが来訪するためです。

潜在層リードという前提を踏まえると、商談化するまで数ヶ月から長い場合で1、2年かかることも珍しくありません。獲得した名刺からリードナーチャリングによってニーズをじっくり顕在化させ、MQLにしていくことを意識して進めていきましょう。

ターゲティング広告

一口にターゲティング広告といってもさまざまな広告がありますが、世界的にターゲティング精度が高いものとしては、属性、興味関心、ソーシャルグラフと多様なデータを保有しているFacebookが優勢です。

またTaboolaのようなコンテンツディスカバリーと呼ばれる予測アルゴリズムにより配信ができるため、比較的どのようなターゲットでもあってもリサーチすることが可能です。ターゲットにとって適切なコンテンツを用意できれば、一定の成果を上げられます。

動画

動画ならではのリッチな情報を提供できます。またユーザーがどのタイミングまで試聴しているかをつかむことで、ユーザーの興味をもった箇所をある程度掴むことが可能になります。動画閲覧後のCTAからコンバージョンにつなげていくこともできます。

潜在層向けに対応することはもちろん、顕在層向けにもライブストリーミングなどによって、リアルタイムにセミナーのような使い方もできます。また動画閲覧データに基づいたリードナーチャリング施策といった活用も可能です。

ターゲティングメール

媒体社などが保有しているユーザーに対するメールやLinkedinが保有するデータベースへのメールなど、特定セグメントに対し絞り込んでリーチすることが可能になります。

メールという特性上、配信数の1%前後のクリック率になることが多いため、一定以上の母数を確保するのが望ましいでしょう。

製品やサービスのターゲットが明確でその層とマッチした特定の層を囲い込んでいる媒体のユーザーにアプローチできるときに効果が高まる施策です。

コンテンツマーケティング

インバウンドマーケティングの主となる方法で多くの企業が実践しています。ユーザーにとって有意義な情報を発信し、SEO施策を施しておくことで無料のトラフィックを継続して獲得することができます。効果を高めるために欠かせないのが独自性のあるコンテンツを作ることです。

また検索ボリュームの少ない顕在層向けから検索ボリュームの多い潜在層向けまで徐々に提供コンテンツを拡大してくことで、効果的にリードを獲得することができます。そして、コンテンツ自体にCTAをしっかり設計することも重要です。

日本と米国のBtoBマーケティングの違い

日本だけでなく、グローバルに顧客を開拓するためにBtoBマーケティンを実施したい場合、日本と米国の違いを理解しておく必要があります。そのポイントを3つ紹介します。

データの拡張性の違い

まず1つ目がデータの拡張性です。日本では基本的に帝国データバンクやユーザーベースが提供するSPEEDAのように企業情報までしか購入することができません。

一方米国では、企業の担当者情報といった日本では開示されないデータまで取得することができます。

米国のBtoBマーケティングにおいては、メールアドレスを入力することで企業情報、従業員数、担当者情報といった情報がCRMに併せて登録されるサービスを利用するなど、さまざまな形でデータを拡張することができます。

地理的な違い

2つ目が地理的な問題によるサービスの発展の違いです。米国では国土が広いため州を移動するために多大な時間がかかってしまい、営業担当者が見込顧客を直接訪問していて非効率です。

そのため、ウェビナーやテレカン、アポイントの自動取得システムといった地理的な問題をカバーするサービスが発展しています。

マーケティングの浸透度の違い

3つ目が浸透度合いの違いです。米国でEloquaが誕生したのは2000年ですが、日本のマーケティングオートメーションの元年となったのは、その14年度の2014年です。

日本は「どのツールを採用するか」や「より効果的に活用するために」といった文脈で市場が形成されている段階ですが、米国ではすでに採用ツールが確定しており、一定の成果を出す方法も確立されているため、ABMやインサイドセールス、BI、予測アルゴリズムといったより高精度なサービスが生まれています。

日本においても2020年代前半には多くの企業がマーケティングオートメーションを効果的に活用していることでしょう。人材も育成され、定着された段階になっていると予想されるため、今から将来を見据えて実績をあげていくことが大切です。

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